赤粼勇の『青い光に魅せられて 青色LED開発物語』を読んだ。2013年に日本経済新聞出版社より刊行された書籍だ。ノーベル物理学賞紹介のニュース番組で紹介されていたので早速図書館に予約したら、まだ誰も読んでいない新品の本を借りることができた。ノーベル賞発表後に1冊だけ追加購入された本が運よく回ってきたようだ。
青色LED開発の話だけでなく、幼少期から学生時代や戦争体験の話、そして就職してからの長い研究者時代の成果や苦労が語られている。小学校時代の先生の言葉が、先の見えなかった困難な研究の心の支えになっていたのには驚いた。
名古屋大学レクチャーの講演で若い方たちへのメッセージとして以下の言葉が送られている。
- 夢(やりたいこと、目標)をもとう。
- 失敗を恐れない。
- 決めたことは、最後まであきらめない。
- 疑問(好奇心)を大切にする。
- 輪(仲間、友だち)を広げる。
窒化ガリウムの結晶の作成に成功したのは電気炉が故障していて温度が上がらなかったのが功を奏したような報道をされていた。それは事実らしいが、本書を読んでそれまでの長い研究や窒化ガリウムに対する執念の賜物がその成果だということがわかる。コラムの酒による失敗談とかもなかなか面白かった。