吉田修一の『太陽は動かない』を読んだ。2012年に幻冬舎より刊行された「鷹野一彦シリーズ」第1弾となる長編産業スパイ小説だ。以前に読んだ『森は知っている』は2作目だが、時系列的には過去の話で主人公の鷹野の高校時代の話が中心になっている。
以下の概要はAmazonより:
新油田開発利権争いの渦中で起きた射殺事件。産業スパイ組織AN通信の鷹野一彦(たかのかずひこ)は、部下の田岡と共にその背後関係を探っていた。目的は、機密情報をいち早く入手し、高値で売り飛ばすこと。商売敵のデイビッドと謎の美女AYAKOが暗躍し、ウイグル過激派による爆破計画の噂もあるなか、田岡が何者かに拉致された。謀略、疑念、野心、裏切り、そして迫るタイムリミット……。それぞれの思惑が水面下で絡み合う、息詰まる情報戦の末に、巨万の富を得るのは誰か?
冒頭から話の内容が少し複雑でついていけなかったが、後半になるにつれてハラハラのストーリー展開はなかなかなもので、とても面白かった。