大江健三郎の『万延元年のフットボール』を読んだ。1967年に『群像』に連載(1月号から7月号)、同年に講談社から刊行され、現在は講談社文芸文庫が刊行されている長編小説だ。1967年の第3回谷崎潤一郎賞を受賞し、ノーベル文学賞の受賞理由の代表作品として挙げられている。村上春樹の『1973年のピンボール』のタイトルはこの小説のパロディというのを『1973年―』を読み返した時に調べて知り、この本を読もうと思ったのだった。
「この本を読もう」と思った本については事前にその内容や関連事項を調査しないようにしている。あらすじを読むと先入観が生じたり、間違って結末までを知ってしまったりするのを避けるためだ。なので、この本を読む前までは「江戸時代にラグビーでもやるのかな」くらいに思っていた。図書館で本を借りるときに裏表紙の説明(ここには結末は書いてないので)を読んだら全然違っていたので、ちょっとビックリした。読んでいるとどうやらフットボールはラグビーではなくサッカーのような気がしてきた。検索するとアメリカンフットボールじゃないかといっている人もいた。
内容は、うーん、あんまりおもしろくなかった…とうか好みではなかったというか…(^^;。
カタカナ表記に面白い発見をした。「ノオト」、「テレヴィ」、「コオフィ」、「メムバー」、「ストーヴ」、「サーヴィス」、「メイカー(これは時々見かけるけど)」という風に現在ではあまり使用しない表記だ。ただ、一箇所「ノート」と書かれていた。ひょっとしたら誤植だろうか……?
あと、内容とは関係ないが、文庫本なのに1500円という価格にちょっと驚いてしまった。講談社文芸文庫はそういう価格設定らしい。