上野日記

自分が主人公の小さな物語

今村翔吾の『塞王の楯』を読んだ

今村翔吾の『塞王の楯』を読んだ。2021年に集英社より刊行され、2022年第166回直木賞を受賞した戦国長編小説だ。直木賞受賞を知り、すぐに図書館に予約したが半年たった漸く読むことができた。

以下はAmazonより:

越前・一乗谷城織田信長に落とされた。幼き匡介(きょうすけ)はその際に父母と妹を喪い、逃げる途中に石垣職人の源斎(げんさい)に助けられる。匡介は源斎を頭目とする穴太衆(あのうしゅう)(=石垣作りの職人集団)の飛田屋で育てられ、やがて後継者と目されるようになる。匡介は絶対に破られない「最強の楯」である石垣を作れば、戦を無くせると考えていた。両親や妹のような人をこれ以上出したくないと願い、石積みの技を磨き続ける。秀吉が病死し、戦乱の気配が近づく中、匡介は京極高次(きょうごくたかつぐ)より琵琶湖畔にある大津城の石垣の改修を任される。一方、そこを攻めようとしている毛利元康は、国友衆(くにともしゅう)に鉄砲作りを依頼した。「至高の矛」たる鉄砲を作って皆に恐怖を植え付けることこそ、戦の抑止力になると信じる国友衆の次期頭目・彦九郎(げんくろう)は、「飛田屋を叩き潰す」と宣言する。大軍に囲まれ絶体絶命の大津城を舞台に、宿命の対決が幕を開ける――。どんな攻めをも、はね返す石垣。どんな守りをも、打ち破る鉄砲。「最強の楯」と「至高の矛」の対決を描く、究極の戦国小説!

戦国時代の石工の話。戦で孤児となった主人公は伝説の石工職人に拾われその才能を認められる。最強の石垣を作れば戦をなくすことができるという信念を抱く。一方、最強の武器を作れば戦をなくすことができると信じる鉄砲職人と相対する。

戦国時代のドラマなどではあまり描かれないような物語だが、人情味溢れる内容には少しうるっと来てしまった。ただ字が小さくて552ページという大作だったため、読むのにとても疲れてしまったが。さすが直木賞、なかなか面白かった。



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