上野日記

自分が主人公の小さな物語

長岡弘樹の『傍聞き』を読んだ

長岡弘樹の『傍聞き』を読んだ。「かたえぎき」と読むそうな。2008年に双葉社より刊行された推理小説の短編集だ。「迷走」「傍聞き」「899」「迷い箱」の4編が収録されている。表題作の「傍聞き」は第61回日本推理作家協会賞短編部門を受賞した作品だ。
1か月ほど前だったか、新刊本『赤い刻印』の新聞広告に以下のような文章を見つけた。長岡弘樹の名前も『傍聞き』という本も知らなかったが、調べたら賞を取った作品なので図書館で借りてきた。
【著者を短編ミステリーの名手として知らしめた大ヒット作『傍聞き』。その表題作の主人公、シングルマザー刑事と娘が再び登場! 】

以下の概要は裏表紙より:

患者の搬送を避ける救急隊員の事情が胸に迫る「迷走」。娘の不可解な行動に悩む女性刑事が、我が子の意図に心揺さぶられる「傍聞き」。女性の自宅を鎮火中に、消防士のとった行為が意想外な「899」。元受刑者の揺れる気持ちが切ない「迷い箱」。まったく予想のつかない展開と、人間ドラマが見事に融合した4編。表題作で08年日本推理作家協会賞短編部門受賞。

推理小説らしいが、あまりにも考えられない設定で読みながら興ざめしてしまった。「迷走」と「迷い箱」は途中で結果が予想できたし、その他も何となく予想できた。ただ「傍聞き」は娘の手紙の謎までは読めなかったので、それはそれでよかったかな。あからさまな伏線ともったいぶった謎解きは好みではなかった。


「傍聞き」って聞いたことがなかったので作者の造語かと思ったら、辞書に載っている言葉だった。知らなかった…。

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