上野日記

自分が主人公の小さな物語

2011-01-01から1年間の記事一覧

冲方丁の『天地明察』を読んだ

冲方丁の『天地明察』を読んだ。2009年に角川書店より刊行され、2010年に第31回吉川英治文学新人賞、第7回本屋大賞を受賞し、第143回直木賞の候補となった時代小説だ。2011年には第4回大学読書人大賞を受賞している。2012年秋には監督・滝田洋二郎、主演・岡…

長者ヶ崎をめざして

これぞ秋晴れという天気がここ数日続いているので「自転車に乗らなくちゃ」と思いつつもちょっと億劫になっている自分がいる。今日も朝から快晴だ。ということで今日は3週間ぶりの自転車に乗るため重い腰をあげた。アームカバーをアームウォーマーに、レッグ…

三浦しをんの『星間商事株式会社社史編纂室』を読んだ

三浦しをんの『星間商事株式会社社史編纂室』を読んだ。2009年に筑摩書房から刊行された長編小説だ。29歳で独身の女性、趣味は同人誌に小説を書くこと。高校からの友達と毎回コミケに出展している。いわゆる、オタク・腐女子に分類される。そんなある日、自…

東野圭吾の『使命と魂のリミット』を読んだ

東野圭吾の『使命と魂のリミット』を読んだ。2006年に新潮社より刊行された長編ミステリーだ。2008年の「このミステリーがすごい!」は41位だった。11月5日・12日にはNHK総合で、石原さとみ・速水もこみち・倉科カナ・舘ひろし等の出演でドラマが放送される…

吉田修一の『静かな爆弾』を読んだ

吉田修一の『静かな爆弾』を読んだ。2008年に中央公論新社より刊行された小説だ。テレビ局でドキュメント番組を制作する男性が公園で耳の不自由な女性と出会い恋をする。会話はメモ書きのため、言いたいことが言えずストレスを感じる。口に出して言ってみて…

伊坂幸太郎の『グラスホッパー』を読んだ

伊坂幸太郎の『グラスホッパー』を読んだ。2004年に角川書店から刊行され、同年の直木賞候補になった長編小説だ。「著者自身が『今まで書いた小説のなかで一番達成感があった』と語る作品」らしい。殺された妻の仇をとるためにその男の父親の会社に契約社員…

東川篤哉の『謎解きはディナーのあとで』を読んだ

東川篤哉の『謎解きはディナーのあとで』を読んだ。2010年に小学館より刊行され、2011年に第8回本屋大賞を受賞した推理小説だ。既に160万部を突破しているらしい。来週からフジテレビで櫻井翔・北川景子・椎名桔平出演によるテレビドラマが放送される。楽し…

吉田修一の『初恋温泉』を読んだ

吉田修一の『初恋温泉』を読んだ。2006年に集英社より刊行された短編集で、それぞれ温泉を舞台にした「初恋温泉」、「白雪温泉」、「ためらいの湯」、「風来温泉」、「純情温泉」が収録されている。妻に別れ話を切り出され戸惑う夫の熱海。婚約したばかりの…

吉田修一の『日曜日たち』を読んだ

吉田修一の『日曜日たち』を読んだ。2003年に講談社より刊行された連作短編集だ。「日曜日のエレベーター」、「日曜日の被害者」、「日曜日の新郎たち」、「日曜日の運勢」、「日曜日たち」が収録されている。本書は2006年の文庫本だ。東京で暮らす男女5人の…

三浦しをんの『格闘する者に○』を読んだ

三浦しをんの『格闘する者に○(まる)』を読んだ。2000年に草思社から刊行された長編小説で、三浦しをんのデビュー作だ。図書館でたまたま見つけ、題名も表紙もあまり気に食わなかったが、カバーのあらすじに「デビュー作」と書いてあったので読んでみることに…

「藤子・F・不二雄ミュージアム」をめざして

今日も絶好の秋晴れいい天気だ、…という予報だったので自転車に乗ることにした。先日の「カップヌードルミュージアム」のミュージアムつながりで9月3日にオープンした「藤子・F・不二雄ミュージアム」をめざすことにした。予約制なのでもちろん中に入れない。

綿矢りさの『勝手にふるえてろ』を読んだ

綿矢りさの『勝手にふるえてろ』を読んだ。2010年に文藝春秋より刊行され、第27回織田作之助賞の候補になった。『夢を与える』から3年ぶりの長編小説だ。1月に図書館に予約(予約数210)し、ようやく読むことができた。

カップヌードルミュージアムをめざして

朝夕の気温もだいぶ下がってきて、今日は朝から秋晴れだ。絶好の自転車日和だ。さてどこに行こうかといつも悩むのだが、先日カップヌードルミュージアムがオープンしたニュースを思い出したので、とりあえずそこをめざすことにした。HPを見てもたいしたこと…

横山秀夫の『クライマーズ・ハイ』を読んだ

横山秀夫の『クライマーズ・ハイ』を読んだ。2003年に文藝春秋から刊行され、2005年に佐藤浩市主演によるドラマ化、2007年には堤真一主演による映画化がされた長編小説だ。これは2006年に単行本化された本だ。NHKのドラマは観た記憶があった。もちろん佐藤浩…

9月の読書メーター

読んだ本の数:13冊 読んだページ数:4138ページ ナイス数:79ナイス

「売れなかった写真集」…でも

今朝の朝日新聞『ひととき』に横浜市の71歳の女性が「売れなかった写真集」と題した文章を投稿していた。内容を要約すると以下のような感じだ。 70歳になった記念に若いころから趣味で撮っていた雲の写真集を作り自費出版した。友人に贈ると喜ばれたが、さっ…

吉田修一の『さよなら渓谷』を読んだ

吉田修一の『さよなら渓谷』を読んだ。2008年に新潮社より刊行された長編ミステリー小説だ。本書は2010年に文庫化されたものである。幼児殺人事件の隣に住む夫婦には悲しい過去があった。夫は15年前に集団レイプ事件の犯人だった。その犯罪は消えることなく…

重松清の『星に願いを ―さつき断景―』を読んだ

重松清の『星に願いを ―さつき断景―』を読んだ。2000年に祥伝社より『さつき断景』として刊行され、2004年に文庫化、そして2008年に新潮社より文庫本が刊行される時に「さつき断景」は副題となり『星に願いを ―さつき断景―』に改題された。1995年から2000年…

吉本ばななの『TUGUMI』を読んだ

吉本ばななの『TUGUMI』を読んだ。1989年に中央公論社より刊行され、同年第2回山本周五郎賞を受賞した小説だ。1990年には『つぐみ』というタイトルで牧瀬里穂主演による映画が公開されたらしい。「日本における平成時代初のミリオンセラーを記録した単行本で…

鎌倉から大磯をめざして

ようやく猛暑も過ぎ去り、秋らしい気候になった。今日は「秋晴れ」という言葉がぴったりの一日となった。ということで久しぶりの自転車だ。7月23日以来なのでほぼ2カ月ぶりとなる。サボっている間体重がちょっと増えたので、レーサーパンツがさらにきつくな…

東野圭吾の『幻夜』を読んだ

東野圭吾の『幻夜』を読んだ。2004年に集英社より刊行された長編推理小説だ。この本は2007年に集英社文庫から刊行された文庫本だ。2010年にはWOWOWより深田恭子主演ドラマとして放送された。4月に読んだ『白夜行』の姉妹作と言われているらしい。いつか読み…

さようなら原発集会

昨日(19日)、大江健三郎らの呼び掛けにより東京・明治公園で脱原発を訴える「さよなら原発集会」が開催された。参加者は、主催者側の発表によると約6万人が集まったらしいが、警察の発表では2万7千人とかなり差がある。参加者は集会後、のぼりやプラカードを…

池井戸潤の『果つる底なき』を読んだ

池井戸潤の『果つる底なき』を読んだ。1998年に講談社より刊行され、第44回江戸川乱歩賞を受賞した長編ミステリー小説だ。また、池井戸潤の小説家デビュー作でもある。2000年には渡辺謙主演によるドラマがフジテレビ系列で放送されたらしい。先日読んだ『下…

瀬尾まいこの『卵の緒』を読んだ

瀬尾まいこの『卵の緒』を読んだ。2002年にマガジンハウスより刊行された小説で、「7’s blood」が併録されている。「卵の緒」は2001年に第7回坊っちゃん文学賞の大賞を受賞した作品だ。坊ちゃん文学賞と面白いタイトルなので記憶にあったのか、図書館をウロ…

重松清の『定年ゴジラ』を読んだ

重松清の『定年ゴジラ』を読んだ。1998年に講談社より刊行された単行本に「帰ってきた定年ゴジラ」を追加収録し、2001年に講談社文庫より再出版された長編小説(連作短編集)だ。直木賞の候補にもなったらしい。2001年にNHK BS2で、長塚京三・いしだあゆみ出演…

フランツ・カフカの『変身/掟の前で』を読んだ

丘沢静也(1947-)訳、フランツ・カフカ(Franz Kafka, 1883-1924)の『変身/掟の前で』を読んだ。2007年に光文社古典新訳文庫から刊行された、短編集だ。「判決」、「変身」、「アカデミーで報告する」、「掟の前で」が収録されている。原作は1912年頃の作品だ…

鉢呂とハチロー

“鉢呂”と言えば今「死の町」という失言や報道陣に「放射能をつけた」というような発言で最近お茶の間を騒がせている鉢呂吉雄経済産業相だ。民主党内部からも辞任論が浮上しているが、当の本人は10日「全力を挙げて原発事故の収束に今後も頑張っていきたい」…

東野圭吾の『あの頃の誰か』を読んだ

東野圭吾の『あの頃の誰か』を読んだ。2011年に光文社文庫から刊行された、短編小説集だ。約20年前のバブル時期に書かれたもので、単行本未収録の「わけあり作品」だそうな。なぜ「わけあり」かは作者があとがきに書いている。「シャレードがいっぱい」、「…

五木寛之の『親鸞』<下>を読んだ

五木寛之の『親鸞』<下>を読んだ。2009年に講談社より刊行され、2010年には第64回毎日出版文化賞特別賞を受賞した長編小説だ。上巻を読んだのが8/28で、ようやく下巻を読むことができた。下巻は、親鸞が29歳から35歳までの話が語られている。比叡山を下り…

朝吹真理子の『きことわ』を読んだ

朝吹真理子の『きことわ』を読んだ。2011年に新潮社より刊行され、第144回芥川賞を受賞した小説だ。2月に芥川賞が発表され、すぐに図書館に予約したが、その時点で予約数199という事もあり、ようやく手元に届いた。「永遠子(とわこ)は夢を見る。貴子(きこ…

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