上野日記

自分が主人公の小さな物語

住野よるの『よるのばけもの』を読んだ

住野よるの『よるのばけもの』を読んだ。2016年に双葉社より刊行された長編諸説だ。『君の膵臓を食べたい』、『また、同じ夢を見た』に続く三作目となる。

以下の概要はAmazonより:

夜になると、僕は化け物になる。寝ていても座っていても立っていても、それは深夜に突然やってくる。ある日、化け物になった僕は、忘れ物をとりに夜の学校へと忍びこんだ。誰もいない、と思っていた夜の教室。だけどそこには、なぜかクラスメイトの矢野さつきがいて――。ベストセラー『君の膵臓をたべたい』『また、同じ夢を見ていた』に続く、住野よる待望の最新作!!

主人公の男子中学生、夜になると化け物に変身する。夢の中の話なのか、ファンタジーなのか、と戸惑いながら読み進めると何となく現実っぽいことがわかる。テーマは「いじめ」だ。周りから風変りだと思われている女子がその対象で、クラスは積極的にいじめる派、敵意はあるが控えめに害を与える派、彼女のほうが悪いと思うが特別な行動はせず無視する派に分かれている。主人公は3番目だ。学校で彼女と口でもきこうものなら、自分もいじめの対象になってしまう。

そんな彼女と化け物になった主人公が夜の教室で偶然に出会う。バケモノに変身した彼を怖がらず、すぐにクラスメイトだと認識する。会話の中で彼女のことが少しずつ分かってくるが、昼間の学校では無視を続け、偶発的とはいえ彼女に悪いことをしてしまう。

昼間の「俺」と夜の「僕」の違いは何だろうか。どちらが本当の「自分」なんだろうか。クラスの仲間意識、裏切り…、そんな葛藤が彼を化け物に変身させていたのだろうか。

色々と疑問点は残ったが、面白い作品だった。



© 2002-2017 Shuichi Ueno