上野日記

自分が主人公の小さな物語

山中伸弥の『山中伸弥先生に、人生とiPS細胞について聞いてみた』を読んだ

山中伸弥(聞き手・緑慎也)の『山中伸弥先生に、人生とiPS細胞について聞いてみた』を読んだ。2012年10月に講談社より刊行された書籍だ。ノーベル生理学・医学賞の受賞を契機に書かれたのだろう、新聞広告で知り図書館に予約していた。

前半(第1部)は〈「iPS細胞ができるまで」と「iPS細胞にできること」〉と題して山中先生が執筆され、自身の生い立ちや苦労話が盛り込まれている。テレビのワイドショー等で紹介された面白エピソードも含まれている。後半(第2部)は対談形式で、記者の質問に答えるような感じで進み、山中先生の人となりもうかがえる。
iPS細胞に辿り着くまでの紆余曲折がうかがえる。色々と大変だったようだが、山中先生自身の努力によるものだろう。iPS細胞ができるまでにはいろんな人がからんでいる。偶然もあったのだろう。〈iPS細胞樹立の立役者は、徳澤さん、一阪さん、そして高橋君の三名です。ぼくではありません〉と言い切るところもいい。

iPS細胞の実用化までは、まだまだ先は長いようだ。中山先生のその意気込みも以下の文章から伝わってくる。

ぼくの父は、息子が臨床医になったことをとても喜んで死んでいきました。ぼくは医師であるということにいまでも強い誇りを持っています。臨床医としてはほとんど役に立たなかったけれど、医師になったからには、最期には人の役に立って死にたいと思っています。父にもう一度会う前に、是非、iPS細胞の医学応用を実現させたいのです。

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