上野日記

自分が主人公の小さな物語

中山七里の『総理にされた男』を読んだ

中山七里の『総理にされた男』を読んだ。2015年にNHK出版より刊行された長編小説だ。Wikipediaによるとポリティカル・エンターテインメント小説に分類されるらしい。

以下の概要はAmazonより引用:

「しばらくの間でいい。総理の替え玉をやってくれませんか」 役者志望のプー太郎・加納慎策は、総理大臣に瓜二つの容姿を生かした精巧なものまね芸で、近頃人気を博していた。そんなある日、官房長官に極秘で呼び出された加納は、意識不明に陥っているという総理大臣の「替え玉」を頼まれ……。国民の声が総理の姿で語られるとき、政治の世界は変わるのか?怒濤の展開に息を呑む、政治エンターテインメント!

総理の病気により急遽代役を頼まれたのは、そっくりさんの役者の卵だった。舞台の前座でのものまね芸は評判になっていた。彼のことを知るのは官房長官と学生時代の友人の政治学者だけっだった。役者で肝が座っているのか、記者会見や国会答弁を難なくこなしていく。そんな中外国の日本大使館で人質テロ事件が発生し、閣僚の反対を押切自衛隊を派遣する。憲法違反か…。

政治コメディーかと思いながら読み進めると、違った。日本の政治を揶揄したような内容だった。最後の1行には思わず笑ってしまった。なかなか面白かった。

映像化を期待したいが、政治絡みなので難しいかも知れない…。


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