上野日記

自分が主人公の小さな物語

高野和明の『ジェノサイド』を読んだ

高野和明の『ジェノサイド』を読んだ。2011年に角川書店より刊行され、第65回日本推理作家協会賞長編及び連作短編集部門賞、第2回山田風太郎賞、2012年版このミステリーがすごい!1位、2011年週刊文春ミステリーベスト10・1位、第33回吉川英治文学新人賞候補、第145回直木三十五賞候補をとった長編SFサスペンス説だ。

内容を要約しようとしたがあまりにも複雑な内容なので諦めた。Wikipediaを引用しようとしたがこれも長すぎるのでAmazonから引用する。

急死したはずの父親から送られてきた一通のメール。それがすべての発端だった。創薬化学を専攻する大学院生・古賀研人は、その不可解な遺書を手掛かりに、隠されていた私設実験室に辿り着く。ウイルス学者だった父は、そこで何を研究しようとしていたのか。同じ頃、特殊部隊出身の傭兵、ジョナサン・イエーガーは、難病に冒された息子の治療費を稼ぐため、ある極秘の依頼を引き受けた。暗殺任務と思しき詳細不明の作戦。事前に明かされたのは、「人類全体に奉仕する仕事」ということだけだった。イエーガーは暗殺チームの一員となり、戦争状態にあるコンゴのジャングル地帯に潜入するが…。

舞台はアメリカ合衆国コンゴ民主共和国、そして日本で、複雑に絡まった話が読み進めるうちにその内容が見えてくると次第に引き込まれていった。各賞を取るだけあって実に面白かった。

ハイズマン博士の言葉が心に残る、「新しい人類が現れたのなら、それは喜ばしいことだ。現生人類は、誕生から二十万年を費やしても殺し合いを止められなかった哀れな知的生物だ。殺戮兵器をかき集めて脅し合わなければ共存できない、この現状こそが人間の倫理の限界だったんだ。そろそろ次の存在に、この星を譲ってもいい頃だと思うね」と。

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