上野日記

自分が主人公の小さな物語

夏川草介の『神様のカルテ2』を読んだ

夏川草介の『神様のカルテ2』を読んだ。2010年に小学館から刊行された長編小説だ。前作を読んだのが2013/2/16で、その続編にあたる。櫻井翔宮崎あおい主演の映画は2014年3月に公開された。映画の番宣で繰り返し流されていた台詞「医師の話ではない。人間の話をしているのだ!」はそういうことだったのね。

あらすじはWikipediaより:

本庄病院に残ることにした一止。新年度、相変わらずの激務の中、本庄病院の内科病棟に一止、そして一止の知人である砂山と大学の同窓であった新任の医師・進藤辰也が東京の病院から着任してきた。かつて“医学部の良心"と呼ばれた辰也の加入を喜ぶ一止。しかし、赴任直後の期待とは裏腹に、辰也の医師としての行動は学生時代の彼からは想像できない姿に変わっており、一止は戸惑う。そんな中、本庄病院に激震が走る事件が起こった。

医療現場の問題点を提起しつつ、医者として人としてどうすべきかの難しい問題を考えさせられる小説だ。主人公の内科医の医療に対するひたむきさと彼を信頼する同僚・朋友そして最愛の妻の心配りには羨ましさを感じる。「医師の話ではない。人間の話をしているのだ!」とか、「良心に恥じぬというだけが、我々の確かな報酬である」とか、ぐっとくる言葉が素晴らしい。

泣けた。

テレビで放送された第1作の映画を観たのをいつだったか忘れたが、原作の大事な部分を表現できてなかった(出演者ではなく演出の問題)と感じたのがとても残念だった。でも、第2作の映画も観てみたい…(^^;。

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