上野日記

自分が主人公の小さな物語

池井戸潤の『七つの会議』を読んだ

池井戸潤の『七つの会議』を読んだ。2012年に日本経済新聞出版社より刊行された連作短編集だ。読んだのは2016年集英社刊行の文庫本だ。また、2013年には東山紀之を主人公にNHKでドラマ化された。2019年2月1日には野村萬斎主演で映画が公開されるらしい(2019/1/3追記)。

以下の概要は裏表紙より:

きっかけはパワハラだった!トップセールスマンのエリート課長を社内委員会に訴えたのは、歳上の部下だった。そして役員会が下した不可解な人事。いったい二人の間に何があったのか。今、会社で何が起きているのか。事態の収拾を命じられた原島は、親会社と取引先を巻き込んだ大掛かりな会社の秘密に迫る。ありふれた中堅メーカーを舞台に繰り広げられる迫真の物語。傑作クライム・ノベル。

仕事が不真面目な年上の部下をやり手の課長が叱責しただけでパワハラと認定され役職を解かれる。池井戸作品だったらここから逆転劇が始まるのかと思いきやそうでもない。社内にうごめく闇が隠されているようだと気づく。会社のために一所懸命に働くも利益優先の上層部には理解されない。そして人間模様も絡み合う。次第にミステリー性も帯び、なかなか面白かった。


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