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上野日記

自分が主人公の小さな物語

横山秀夫の『64(ロクヨン)』を読んだ

横山秀夫の『64(ロクヨン)』を読んだ。2012年に文藝春秋より刊行された長編推理小説だ。「2015年4月よりNHKにてピエール瀧主演でテレビドラマ化、2016年に佐藤浩市主演で映画化される予定」らしい。NHKのドラマ化を新聞広告で見つけ読んでみることにした。

7日間しかなかった昭和64年に発生した少女誘拐殺人事件(通称「ロクヨン」)、犯人を取り逃がしたD県警が舞台。それから14年が経ち時効は目前だった。事件当時追跡班だった刑事は広報官になっていた。刑事部、警備部、マスコミの板挟みで翻弄する。そして「ロクヨン」を模倣するような新たな誘拐事件が発生する。「ロクヨン」に隠された警察の失態と新たな誘拐事件が重なり合う。そして…。
Wikipediaを読むと作者の執念が伺える。執筆途中に心筋梗塞で倒れたり、記憶障害できのう書いた原稿のことも主人公の名前さえも忘れたりと完成までにかなり難航したらしい。それが実を結んだのか、「このミステリがすごい!」で1位、本屋大賞で2位を獲得した。

昭和64年の事件と、刑事部・警備部の対立、広報官(主人公)としてのマスコミ対応、主人公の娘の家出と色々な話が複雑に絡まり読んでいて少し疲れてしまったが、次第にそれぞれが絡み合い、その奥深い真相に引き込まれていった。こんな結末が待っていたのかと驚いた。ドラマが楽しみだ。

© 2002-2017 Shuichi Ueno