上野日記

自分が主人公の小さな物語

海堂尊の『極北クレイマー』を読んだ

海堂尊の『極北クレイマー』を読んだ。2009年に朝日新聞出版より刊行された長編小説だ。2013年3月にNHK瑛太主演の「極北ラプソディ」が放送された(録画したがまだ観ていない)のでいつか読もうと思っていた本だ。録画を観るのは続編の『極北ラプソディ』を読んでからなので、当分先になりそうだ。

概要はAmazonより:

財政破綻にあえぐ極北市。赤字5つ星の極北市民病院に、非常勤外科医の今中がやってきた。院長と事務長の対立、不衛生でカルテ管理もずさん、謎めいた医療事故、女性ジャーナリストの野心、病院閉鎖の危機…。はたして今中は桃色眼鏡の派遣女医・姫宮と手を組んで、医療崩壊の現場を再生できるのか。

赤字続きの病院では医師や看護師そして事務方もやる気がなく悲惨な状況だ。そこへ非常勤医師として赴任してきた主人公の医師も改善の努力も諦め気味である。ただ多少は進歩しつつあった。
以前に読んだ『マドンナ・ヴェルデ』に登場したマリアクリニックの院長の息子が産婦人科医として勤務していたのには驚いた。
内容は全体としては繋がっているのだが、それぞれのエピソードが尻切れトンボのように終わっていて短編集みたいな感覚を覚えた。ただ海堂氏が伝えたかった医療現場の問題は理解できたつもりだ。続編が楽しみだ。

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