上野日記

自分が主人公の小さな物語

池上永一の『テンペスト<上>若夏の巻』を読んだ

池上永一の『テンペスト<上>若夏(うりずん)の巻』を読んだ。2008年に角川書店より刊行された長編小説だ。仲間由紀恵主演で、2011年には舞台化・ドラマ化され、2012年には3D映画化もされている。

昨年末、NHK-BSで再放送されたドラマを録画していたが原作を読んでから観ようと思っていた。もうすぐ半年になろうとしている。図書館で借りようと思ったが、単行本は文庫本並の文字の小ささで2段組みという量の多さのため、読むのに時間がかかりそうなので借りるのを躊躇していた。文庫本を借りてもよかったのだが…。先日ふと立ち寄った古本屋で上下巻合わせてなんと400円で売っていたのを見つけ、あまりの安さに(別の店では950円だったので)何か裏でもあるのではないかと思いながらも買ってきた。見た目は新品同様だ。
ドラマか舞台の番宣でちらっと見聞きしていたのを勘違いしていたようだ。「琉球王国の王女が男となって国を治める」話とばかり思っていた。全然違っていた。
聡明な少女は女ということだけで学問を修められないでいたが、宦官と性を偽って王府の試験を受け合格する。役人となった主人公は、琉球王国のため尽力を尽くす。
主人公は、最年少で国家試験に合格するほどの天才ぶりで、外国語(13ヶ国語も話す)にも堪能だ。幾度のピンチにもその手腕を発揮し大臣にまで上り詰めるが、主人公の秘密を知る中国(清国)の宦官を殺し、島流しになってしまう。…下巻に続く。

少しでき過ぎな感じもするがなかなか面白い。

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