上野日記

自分が主人公の小さな物語

東野圭吾の『聖女の救済』を読んだ

東野圭吾の『聖女の救済』を読んだ。2008年に文藝春秋より刊行された、ガリレオシリーズ第5弾の長編推理小説だ。ガリレオの長編は『容疑者Xの献身』に続く2作目だ。

1年以内に子供ができない場合は離婚することが条件だった夫婦。離婚を宣告した夫は東京の自宅で毒入りコーヒーを飲んで死亡し、そのとき妻は北海道の実家に帰省していた。死亡した夫を発見したのは、妻のパッチワーク教室の講師の女性で夫の不倫相手だった。
些細なことから妻の犯行ではないかと疑う内海薫、完全なアリバイがあることと妻に魅了され恋心を抱く草薙俊平はそれを否定する。内海に相談された湯川学は、最初は断るも薫から「草薙さんは恋をしています」と聞いて事件に興味を示す。そして、謎解きを始めるが「解があればそれは『虚数解』、現実にはありえない。これは完全犯罪だ」と悩む。

登場人物が少ないことと湯川と内海が犯人に目星をつけるので、こちらも彼女が犯人だろうと思いながら読んだ。それでも、このアリバイは崩せないだろう、他に犯人が出てくるのか、もしかしたらこっちが真犯人か、などと頭を巡らせながら読み、なかなか面白かった。

内海薫が広島に出張するくだりに「薫は再びiPodをバッグから取り出した。福山雅治の歌を聴きながら、ペットボトルの水を飲んだ」という文章があり、思わず笑ってしまった。東野圭吾の遊び心か…。

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