上野日記

自分が主人公の小さな物語

吉本ばななの『TUGUMI』を読んだ

吉本ばななの『TUGUMI』を読んだ。1989年に中央公論社より刊行され、同年第2回山本周五郎賞を受賞した小説だ。1990年には『つぐみ』というタイトルで牧瀬里穂主演による映画が公開されたらしい。「日本における平成時代初のミリオンセラーを記録した単行本で累計発行部数は単行本167万部。 1996年1月には、大学入試センター試験の問題としても使われた」らしい。

本書は1992年に文庫されたものである。彼女の作品は『キッチン』に続いて2冊目だ。いつかは読みたいと思っていた作品で、図書館で借りてもよかったのだが古本屋で見つけ思わず買ってしまった。
つぐみは生まれたときから病弱で医者には短命宣言された。そのため甘やかされて育てられた彼女は「意地悪で粗野で口が悪く、わがままで甘ったれでずる賢い」少女となっていた。でも、外見は人形のような美少女で可愛く、そとづらは別人のようだったので町の評判はよかった。
つぐみの一歳年上の従姉の目線で、子どもの頃の想い出やちょっとしたエピソードなどが語られている。少女時代に一緒に育った叔母の旅館がこの夏で店じまいすることになり、夏休みを利用して遊びに行く。つぐみの姉、海辺で出会った少年のひと夏の物語が流れていく。
つぐみを本当に理解しているのは従姉だけだという。従姉も傍若無人なつぐみを嫌いじゃない。そして、ある事件をきっかけにつぐみは少女からちょっとだけ大人になった……のかな。


子どもの頃海水浴に行ったのはどこだっけとか、球磨川の花火はすごかったなとかを思い出しながら読んでいた。

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