上野日記

自分が主人公の小さな物語

今村夏子の『こちらあみ子』を読んだ

今村夏子の『こちらあみ子』を読んだ。2011年に筑摩書房より刊行された短編集で、他に「ピクニック」が収録されている。2010年に「あたらしい娘」で太宰治賞を受賞し、「こちらあみ子」と改題して収録したこの本が2011年の三島由紀夫賞を受賞した。

三島由紀夫賞のニュースをみてすぐに図書館に予約したのが5月だった。予約数32なのに4か月もかかってしまった。
こちらあみ子:ちょっと風変わりな少女<あみ子>。学校では図書館でマンガを読むか保健室に入り浸りで授業に出ない。誰も注意しない。周りとどんどんずれていく。無邪気なのかそれとも純真無垢なのかちょっと変わった子なのか、一般常識では少女の行動は測りしれない。電池のなくなったトランシーバを手に取り「応答せよ。応答せよ。こちらあみ子。応答せよ」と呼びかけても応答はない。

ピクニック:ビキニにローラスケートを履いたウエイトレスの店で働く女性<七瀬さん>。彼氏は有名タレントという。本当なのか嘘なのかわからないが、彼女の話を一生懸命に聞く職場の女性たちはそれを信じようとする。


素直に生きようとする少女、真実を隠して嘘で生きようとする大人の女性、それらの対比が描かれているような感じがした。どちらも難しいよなぁ……。

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