上野日記

自分が主人公の小さな物語

元箱根(芦ノ湖)をめざして

天気もいいし風も弱そうなので、一昨日のリベンジで元箱根をめざすことにした。一昨日引き返したところからどれくらい上り坂が続くか分からなかったので、今日は8時に自宅を出発した。いつもより1,2時間早い出発だ。

事前に調べなかった自分が悪いのだが、どこまで行ってもどれだけ登ってもずっと上り坂でとても疲れた。自転車が漕げずに歩いて登る箇所がかなりあった。勾配10%はとんでもなかったが、若い人や山に慣れている人はすいすいと登り、あっという間に背中が見えなくなった。

余程引き返そうかと思ったが、もう少ししたら下りになるかもしれない、数Kmだからもうちょっとだと自分に言いきかせながらひたすら登る…漕ぐ…歩く…押す…休む。元箱根のちょっと手前で下り坂になり芦ノ湖が見えてきたときには感動というよりは、もう二度とここを走りたくないと決心していた。箱根湯本の三枚橋から芦ノ湖までの約11Kmの所要時間は、往きは2時間半で帰りは50分だった。

観光客が割と多く、遊覧船、貸しボート、釣りを楽しむ人たちが初夏の芦ノ湖を楽しんでいた。

石畳の両側に残る畑宿の一里塚だ。江戸時代の形態を留める東海道唯一の一里塚で二十三里目にあたるらしい。「30m先」の看板から下の方を見ながら探していたら見つからないので引き返そうかと思ったらこれだった。意外に大きかったのでちょっと驚いてしまった。

箱根旧街道だ。石が敷き詰められていて自転車で走るのは無理だが、徒歩で自然を楽しむ人たちが結構いた。関東大震災や伊豆大地震でかなり壊滅し、後に整備されたらしい。

元箱根までもう少しのところにある「お玉ヶ池」だ。江戸の奉公先から逃げ帰るため、通行手形がなかったお玉さんは箱根の関所を迂回しようとして捕まり処刑されたそうな。そのお玉さんを偲んで名付けられたらしい。


こんなに走ったのは初めてだ。くたくたになってしまった。もう山道は絶対に走らない。下り坂は楽と言えば楽なのだが、ブレーキングで握力がつかれるし、ブレーキの摩擦でリムが触れないほど熱くなりひやひやしながら走った。箱根湯本あたりに着くと生温かい空気がまとわりつくような感じだった。標高700mぐらいの差しかないが、気温の差を肌で感じるほどだったとはちょっと驚いた。

ただ、坂を登るにつれて山の緑は濃くなりとても清々しい。深呼吸すると肺の中まで緑で包まれそうな新鮮な空気が漂っていた。ウグイスの鳴き声や街中では聞いたこともない鳥の声があちこちから聞こえ自然の素晴らしさを体験することができた。歩道のガードレールに寄りかかり休憩していると、熟女三人組が下ってきた。熟女と言っても70歳手前ぐらいだろうか。すれ違いざまに挨拶され、一人が「上まで行くの? まぁそれは大変ねぇ」と微笑んでいた。

【本日の記録】
 走行距離:129.3Km、最高速度:50.0Km/h、平均速度:17.4Km/h
 移動時間:7:24、停止時間:1:55
 2011年積算距離(走行回数):1053.0Km (13回目)

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