上野日記

自分が主人公の小さな物語

池井戸潤の『仇敵』を読んだ

池井戸潤の『仇敵』を読んだ。2003年に実業之日本社より刊行された連作ミステリーだ。本書は、2006年に講談社より刊行された文庫本だ。「庶務行員」「貸さぬ親切」「仇敵」「漏洩」「密計」「逆転」「裏金」「キャッシュ・スパイラル」の短編連作となっている。

大手都市銀行の企画部次長だった主人公は不祥事の責任を取らされ、地方銀行の庶務行員として再就職する。若手銀行員の相談相手となり、事件や難題を解決し、都市銀行時代に受けた屈辱の復讐を果たす。いわゆる金融ミステリーでもある。
以前読んだ『下町ロケット』や『空飛ぶタイヤ』『オレたち花のバブル組』のような相手をコテンパンに懲らしめるような痛快さはなかったが、なかなか面白かった。

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