上野日記

自分が主人公の小さな物語

朝吹真理子の『きことわ』を読んだ

朝吹真理子の『きことわ』を読んだ。2011年に新潮社より刊行され、第144回芥川賞を受賞した小説だ。2月に芥川賞が発表され、すぐに図書館に予約したが、その時点で予約数199という事もあり、ようやく手元に届いた。

「永遠子(とわこ)は夢を見る。貴子(きこ)は夢を見ない」で始まるこの物語は“きこ”と“とわ”の話……。葉山の別荘で姉妹のようにして過ごした二人は、別荘の娘である貴子が8歳、別荘の管理人の娘である永遠子が15歳の夏でその関係は突然断ち消えとなる。
25年後、別荘を解体し売り払う事になり、その片付けをするために別荘で二人は再会する。まるで昨日別れたみたいに、二人の時間が流れだした。幼いころの想い出を語りあうが、所々記憶が曖昧だ。それでも二人は繋がっていたのかもしれない。


文章がとてもきれいで、表現や描写が素晴らしかった。ただ、純文学という事もあり作者が言わんとしたことを理解できたかは、ちょっと自信がない。

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