上野日記

自分が主人公の小さな物語

東野圭吾の『白鳥とコウモリ』を読んだ

東野圭吾の『白鳥とコウモリ』を読んだ。2021年4月に幻冬舎より刊行された長編推理小説だ。図書館の予約が遅れたため3ヶ月待ちとなりようやく読むことができた。

以下の概要はAmazonより:

幸せな日々は、もう手放さなければならない。

遺体で発見された善良な弁護士。
一人の男が殺害を自供し事件は解決――のはずだった。
「すべて、私がやりました。すべての事件の犯人は私です」
2017年東京、1984年愛知を繋ぐ、ある男の"告白"、その絶望――そして希望。
罪と罰の問題はとても難しくて、簡単に答えを出せるものじゃない」
私たちは未知なる迷宮に引き込まれる――。

作家生活35周年記念作品
白夜行』『手紙』……新たなる最高傑作、東野圭吾版『罪と罰』。


弁護士が殺害され迷宮入りするかもしれないと思われた矢先犯人にたどり着きあっさりと自白した。なんと犯行の発端(動機)は、すでに時効になった30数年前の殺人事件だった。加害者の息子も、被害者の娘も、父親の性格からそんなことを言ったりやったりするはずはないと異口同音に話し、刑事や弁護士を困らせる。私を含めて、ほとんどの読者も残り400ページもあるのだから、逮捕されたこの人は真犯人ではないだろうと思ったに違いない。息子も娘も被疑者の供述の矛盾点を解決するために奔走する。

少しずつ自供の矛盾点や二人(加害者・被害者)の過去の共通点が見つけ出され、意外な方向に展開する。読んでいて推理をめぐらし、ハラハラそしてドキドキしながらページをめくるスピードが上がったいった。予想外の展開と意外な犯人には驚かされた。さすがは東野圭吾だ。やっぱり面白かった。そして以前に読んだ同氏の『手紙』を思い出した。





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