本多孝好の『at Home』を読んだ。2010年に角川書店より刊行された短編小説集で、「at Home」、「日曜日のヤドカリ」、「リバイバル」、「共犯者たち」の4編が収録されている。「at Home」は2015年に「at Home アットホーム」と題し映画化されており、3月にテレビで放送されたので原作を読んでみた。
以下はAmazonより:
父は泥棒、母は結婚詐欺師。僕はパスポート偽造屋で働いており、弟はゲームの中で世界を救ってばかりいる。一家はそれなりに平和に暮らしていたが、ある日、母が結婚詐欺のターゲットに逆に誘拐されてしまう。犯人に呼び出された父と僕は、偽札が詰まった紙袋を持って母を助けに向かうが―。巧妙な伏線が張り巡らされ、驚きと涙なくしては読めない結末を迎える表題作を始め、現代の家族のかたちを描ききった傑作小説集。
"at Home"って、本を読む前は「家で何か起きる話」なのかと思っていたら、いわゆる「アットホーム」として使われる「家庭的」のような意味だったのね。
犯罪者一家のそれぞれは血がつながらない関係で、みんな辛い過去を抱えていた。それでも血縁者以上の絆で結ばれていたようだ。ラストには感動した。
その他の作品も「家族っていいな」と思わせる心温まる内容だった。
読了後、録画していた映画を観たが、何故ラストを原作と同じにしなかったのか不思議でならない。ちょっと白けてしまった。