上野日記

自分が主人公の小さな物語

奥田英朗の『我が家のヒミツ』を読んだ

奥田英朗の『我が家のヒミツ』を読んだ。2015年に集英社より刊行された短編小説集だ。「虫歯とピアニスト」、「正雄の秋」、「アンナの十二月」、「手紙に乗せて」、「主婦と隣人」、「妻と選挙」の6編が収録されている。

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以下の概要はAmazonより:

どうやら自分たち夫婦には子どもが出来そうにない(『虫歯とピアニスト』)。同期との昇進レースに敗れ、53歳にして気分は隠居である(『正雄の秋』)。16歳になったのを機に、初めて実の父親に会いにいく(『アンナの十二月』)。母が急逝。憔悴した父のため実家暮らしを再開するが(『手紙に乗せて』)。産休中なのに、隣の謎めいた夫婦が気になって仕方がない(『妊婦と隣人』)。妻が今度は市議会議員選挙に立候補すると言い出して(『妻と選挙』)。どこにでもいる普通の家族の、ささやかで愛おしい物語6編。

家族っていいなと思わせる小説なのだろうが、自分と対比させてみると何だかさみしさの方が勝り、虚しさが残ってしまった。短編小説ということで少し物足りなかったが、内容としては面白かった。

読むきっかけとなったのが、「佐藤仁美、“ひとり4役” で連ドラ初主演」というNHK BSプレミアムの番宣を観たからだ。調べてみたら「平成の家族小説シリーズ第3弾」らしい。前作の『家日和』、『我が家の問題』は読んでいない。機会があれば読んでみようかな…。



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