上野日記

自分が主人公の小さな物語

薬丸岳の『Aではない君と』を読んだ

薬丸岳の『Aではない』を読んだ。2015年に講談社より刊行され、第37回吉川英治文学新人賞(2016年)を受賞した長編小説だ。9月21日にテレビ東京でドラマが放送され録画したが、それを観る前に原作を読みたくてようやく今になった。

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以下の概要はAmazonより:

あの晩、あの電話に出ていたら。同級生の殺人容疑で十四歳の息子・翼が逮捕された。親や弁護士の問いに口を閉ざす翼は事件の直前、父親に電話をかけていた。真相は語られないまま、親子は少年審判の日を迎えるが。少年犯罪に向き合ってきた著者の一つの到達点にして真摯な眼差しが胸を打つ吉川文学新人賞受賞作。

同級生を殺害したとして逮捕された14歳の息子。警察・検察はおろか、弁護士や親にも全く動機や経緯を話そうとしない。読んでいて不思議な感覚になった。中学生なので「いじめ」が絡んでるんじゃないのと思いつつ読み進める。少年犯罪の難しさ、親と子の関係、犯罪者と加害者の関係、本当の贖罪と更生…。考えさせられる内容だった。

読了後、録画していたテレビドラマを観た。2時間という枠では少し足りなかったようだ。いろんな部分が省かれ、端折られていたのは残念だった。


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