上野日記

自分が主人公の小さな物語

小保方晴子の『あの日』を読んだ

小保方晴子の『あの日』を読んだ。2016年1月28日に講談社より刊行された「STAP細胞騒動」に関連した手記である。「はじめに」および「研究者への夢」「ボストンのポプラ並木」「スフェア細胞」「アニマル カルス」「思いとかけ離れていく研究」「論文著者間の衝突」「想像をはるかに超える反響」「ハシゴは外された」「私の心は正しくなかったのか」「メディアスクラム」「論文撤回」「仕組まれたES細胞混入ストーリー」「業火」「戦えなかった。戦う術もなかった」「閉ざされた研究者の道」の15章から構成されている。


「あの日に戻れるよ、と神様に言われたら、私はこれまでの人生でどの日を選ぶだろうか」で始まる本書は、STAP細胞騒動の顛末が小保方晴子さんからの目線で綴られている。
実験内容や技術的・専門的な内容はあまり理解できなかったので斜め読みだったが、後半からはサスペンスミステリー小説を読んでいるような展開で興味深く読ませてもらった。マスコミの報道(特に毎日新聞NHKの記者は実名で批判)や理研内部からの情報リークなど憤りを隠せなかったようだ。
本書によればSTAP現象が確認できているので、これがもし真実であればもう少し頑張れないのだろうか。それとももう研究者の道は完全に閉ざされてしまったのだろうか。あの華々しい報道を覚えているだけに残念だ。

池井戸潤だったらここから大逆転劇が始まるんだけどなぁ…。ドラマ化も面白いかもしれない。


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