上野日記

自分が主人公の小さな物語

海堂尊の『ジェネラル・ルージュの凱旋』を読んだ

海堂尊の『ジェネラル・ルージュの凱旋』を読んだ。2007年に宝島社より刊行された長編小説で、「田口・白鳥シリーズ」の3作目となる。「本作は著者が執筆時に原稿が1,000枚を超え上下巻になると見越していた『ナイチンゲールの沈黙』から分離して生まれた作品」らしく、話の展開はそれと同時系列で進む。

以下の概要はAmazonより:

桜宮市にある東城大学医学部付属病院に、伝説の歌姫が大量吐血で緊急入院した頃、不定愁訴外来の万年講師・田口公平の元には、一枚の怪文書が届いていた。それは救命救急センター部長の速水晃一が特定業者と癒着しているという、匿名の内部告発文書だった。病院長・高階から依頼を受けた田口は事実の調査に乗り出すが、倫理問題審査会(エシックス・コミティ)委員長・沼田による嫌味な介入や、ドジな新人看護師・姫宮と厚生労働省の“火喰い鳥”白鳥の登場で、さらに複雑な事態に突入していく。将軍(ジェネラル・ルージュ)の異名をとる速水の悲願、桜宮市へのドクター・ヘリ導入を目前にして速水は病院を追われてしまうのか…。そして、さらなる大惨事が桜宮市と病院を直撃する。

前の2作と比べてミステリー性はなかったが、救命救急センターの速水部長を中心とした話でなかなか面白い。『螺鈿迷宮』を先に読んだのは失敗だったかな。
「ジェネラル・ルージュ(血まみれ将軍)」とあちこちに書いてあるので、そのような先入観で読んでいたが、別の意味(15年前のエピソード)もあったのね。ルージュと言えば、ユーミンの「ルージュの伝言」や松田聖子の「ロックンルージュ」を思い出す。口紅という意味以外にも「赤」という意味もあるのを初めて知った。

2012/10/24に録画した竹内結子主演の映画をようやく観ることができた。約2時間程度の映画なのでかなりの部分が省かれていたのは仕方ないかが、大筋はあっていたので良しとするか。ちょっと物足りなかったけど…。

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