上野日記

自分が主人公の小さな物語

宮部みゆきの『蒲生邸事件』を読んだ

宮部みゆきの『蒲生邸事件』を読んだ。1996年に毎日新聞社より刊行された長編小説だ。1998年にいしだ壱成主演でドラマが放送されたらしい。

以下の概要はAmazonより引用:

一九九四年、予備校受験のために上京した受験生の尾崎孝史だったが、二月二十六日未明、宿泊している古いホテルで火災に見舞われた。間一髪、同宿の男に救われたものの、避難した先はなんと昭和十一年の東京。男は時間軸を自由に移動できる能力を持った時間旅行者だったのだ。雪降りしきる帝都では、いままさに二・二六事件が起きようとしていた――。
 大胆な着想で挑んだ著者会心日本SF大賞受賞長篇!
 『蒲生邸事件』の真の主人公は青年ではなく「歴史」である。歴史的事件の肌ざわりをたくみに示しながら、歴史とは何か、そして歴史を評価するとはどういうことかを、さりげなくこの小説は問うている。(関川夏央「解説」より)

予備校受験のために上京したホテルが火事になり、間一髪助けられたがそこは二・二六事件の勃発する当日の昭和11年の蒲生邸だった。その屋敷で蒲生大将が自決したが、肝心のピストルが見当たらない。

推理小説でもあり、SF小説でもある。なかなか面白く読ませてもらった。最後は少し切なくなった。


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