上野日記

自分が主人公の小さな物語

東野圭吾の『雪煙チェイス』を読んだ

東野圭吾の『雪煙チェイス』を読んだ。2016年に実業之日本社より刊行された長編ミステリー&サスペンス小説だ。

以下の概要は裏表紙より:

殺人の容疑をかけられた大学生の脇坂竜実。彼のアリバイを証明できる唯一の人物―正体不明の美人スノーボーダーを捜しに、竜実は日本屈指のスキー場に向かった。それを追うのは「本庁より先に捕らえろ」と命じられた所轄の刑事・小杉。村の人々も巻き込み、広大なゲレンデを舞台に予測不能チェイスが始まる!どんでん返し連続の痛快ノンストップ・サスペンス。

昨年読んだ『恋のゴンドラ』に続きスキー場が舞台になっているので、同じくラブコメ物だと勝手に読み始めた。主人公の男子大学生が滑走禁止区域で美人のスノーボーダーと出会うところから物語は始まる。彼女の名前を聞かなかったので、探し求めて恋愛に発展するだろうなと思ったら、次の章でいきなり殺人事件が発生する。びっくりして初めて裏表紙の概要を読んでサスペンス物だと知った。やっぱり東野圭吾はこうでなきゃとつぶやく……(苦笑)。

ただ、話の展開に無理矢理感があったような気がして、どうもスッキリしない。殺人容疑を掛けられそうになった学生はその日スノーボードをしに行っていたのでアリバイはある(証明はできないが)。それを友達に説得させられて山で出会った美人スノーボーダーを探しに行くという点だ。ま、これは仕方ないのかな。

また、この小説にも『白銀ジャック』と『疾風ロンド』の人物が登場し東野圭吾ファンとしてはなかなか面白かった。そして、キーパーソンの美人スノーボーダーが意外な自分人物(えっ、こっち?)だったのには驚いた。



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