上野日記

自分が主人公の小さな物語

中山七里の『おやすみラフマニノフ』を読んだ

中山七里の『おやすみラフマニノフ』を読んだ。2010年に宝島社より刊行された岬洋介シリーズ第2弾の長編推理小説および音楽小説だ。

以下の概要は裏表紙より:

第一ヴァイオリンの主席奏者である音大生の晶は初音とともに秋の演奏会を控え、プロへの切符をつかむために練習に励んでいた。しかし完全密室で保管される、時価2億円のチェロ、ストラディバリウスが盗まれた。彼らの身にも不可解な事件が次々と起こり…。ラフマニノフの名曲とともに明かされる驚愕の真実!美しい音楽描写と緻密なトリックが奇跡的に融合した人気の音楽ミステリー。

時価2億円のストラディバリウスのチェロが密室から盗まれ、音大学長愛用のピアノが水浸しになり、学長の殺害予告まで送られてきた。演奏会の妨害なのか…。このミステリー部分とは関係ないと思われる話、主人公の生い立ちやバイト先の事件、大雨での避難先での岬洋介との演奏などなどが織り込まれている。作者の意図がつかめない。
前作と比べてしまってはいけないが、びっくり仰天するようなどんでん返しの結末とはいかなかったが、そこそこ面白かった。

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