上野日記

自分が主人公の小さな物語

吉田修一の『森は知っている』を読んだ

吉田修一の『森は知っている』を読んだ。2015年に幻冬舎より刊行された「鷹野一彦シリーズ」第2弾となる長編産業スパイ小説だ。第1弾は2012年刊行の『太陽は動かない』だがまだ読んでいない。ただ時系列的にはこちらは前景なる話、主人公の鷹野一彦が高校生でスパイになる前の訓練を受けている話なので、読む順序が逆でも問題はなさそうだ。感想は違うかもしれないが…。

以下の概要はAmazonより抜粋:

南の島の集落で、知子ばあさんと暮らす高校生の鷹野一彦。
 東京からの転校生・詩織の噂話に興じるような、一見のどかな田舎の高校生活だが、その裏では、ある組織の諜報活動訓練を受けている。
 ある日、同じ訓練生で親友の柳勇次が、一通の手紙を残して姿を消した。逃亡、裏切り、それとも? その行方を案じながらも、鷹野は訓練の最終テストとして初任務につくが――。
 過酷な運命に翻弄されながらも、真っさらな白い地図を胸に抱き、大空へと飛翔した17歳の冒険が、いま始まる!

幼い頃両親に虐待され、そして捨てられ孤児として育つ。その後産業スパイ組織が彼を引き取り、戸籍を抹消してスパイとして訓練を受けさせながら育てる。18歳になると産業スパイとしての採用試験を兼ねた任務に参加させられる。幼い頃のトラウマが心を蝕む。誰も信じられない。親友さえも…。疑心暗鬼になり、自分の信念が正しいのかさえも疑わしくなる。
なかなか面白かった。『太陽は動かない』も読んでみたくなった。


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