上野日記

自分が主人公の小さな物語

越谷オサムの『陽だまりの彼女』を読んだ

越谷オサムの『陽だまりの彼女』を読んだ。2008年に新潮社より刊行された長編恋愛小説だ。100万部を突破しているらしい。2013年には松本潤上野樹里主演で映画が公開された。その映画が先日(5/6)にテレビで放送されたので、まずは原作を読んでからと思い図書館に予約し借りてきた。

図書館で本を受け取り裏表紙の説明を読むとそこには「完全無欠の恋愛小説」と書いてある。内心しまったと思い舌打ちをする。ベタな恋愛小説って面白くないんだよなぁ…。せっかくだから読んでみるかと思いながら帰路に就く。
以下の概要は裏表紙より:

幼馴染みと十年ぶりに再会した俺。かつて「学年有数のバカ」と呼ばれ冴えないイジメられっ子だった彼女は、モテ系の出来る女へと驚異の大変身を遂げていた。でも彼女、俺には計り知れない過去を抱えているようで―その秘密を知ったとき、恋は前代未聞のハッピーエンドへと走りはじめる!誰かを好きになる素敵な瞬間と、同じくらいの切なさもすべてつまった完全無欠の恋愛小説。

中学の同級生と10年後に仕事先でばったり出会う。そして恋に落ちて駆け落ち同然で結婚、幸せな結婚生活…。なんとも退屈な展開と思うも、彼女の記憶喪失という過去、体重が減り、抜け毛、度重なる「疲れた」という彼女の言葉に暗澹たる展開を匂わせる。「キーワードは猫なのか」を連想させる幼少期の思い出、そして不思議な事件…。これってファンタジーだったのね。

巻末の解説に「恋愛小説はあまり読まない、という人にこそ、自信をもってお薦めしたくなる。読了した方なら、そんな気持ちをわかってくださると思う」とあった。言いたい気持ちは分かるが、私の好みではなかったようだ。
上野樹里はかわいかったけど、映画もまあまあだったかな。

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