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上野日記

自分が主人公の小さな物語

雫井脩介の『犯人に告ぐ』を読んだ

雫井脩介の『犯人に告ぐ』を読んだ。2004年に双葉社より刊行された長編サスペンス小説兼警察小説だ。第7回(2005年)大藪春彦賞、第2回(2005年)本屋大賞7位、2004年度週刊文春(ミステリーベストテン)第1位、2004年度週刊現代(最高に面白い本)第1位、2005年度「このミステリーがすごい!」第8位を受賞している。2007年に豊川悦司主演で映画が公開され、その映画が9/18に放送されたので原作を読んでみることにした。

以下の概要はAmazonより(文庫本、上下巻)

闇に身を潜め続ける犯人。川崎市で起きた連続児童殺害事件の捜査は行き詰まりを見せ、ついに神奈川県警は現役捜査官をテレビニュースに出演させるという荒技に踏み切る。白羽の矢が立ったのは、6年前に誘拐事件の捜査に失敗、記者会見でも大失態を演じた巻島史彦警視だった―史上初の劇場型捜査が幕を開ける。第7回大藪春彦賞を受賞し、「週刊文春ミステリーベストテン」第1位に輝くなど、2004年のミステリーシーンを席巻した警察小説の傑作。

犯人=“バッドマン”を名乗る手紙が、捜査本部に届き始めた。巻島史彦は捜査責任者としてニュース番組に定期的に出演し、犯人に「もっと話を聞かせて欲しい」と呼びかけ続ける。その殺人犯寄りの姿勢に、世間および警察内部からも非難の声が上がり、いつしか巻島は孤独な戦いを強いられていた―。犯人に“勝利宣言”するクライマックスは圧巻。「普段ミステリーや警察小説を読まない人をも虜にする」と絶賛された、世紀の快作。

図書館で単行本を借りるか文庫本を借りるかを少し悩んだ。単行本は367ページ、文庫本は上下巻合わせて670ページと量が約2倍の違いだ。たまたま図書館の書架で見つけ手に取って開いてみると、2段組の小さい字に驚いた。なるほどそういうことかと納得。なかなか読み応えがありそうだと思い読み進める。

6年前の幼児誘拐事件、捜査ミスで犯人を取り逃がし子供は殺されてしまった。記者会見で逆ギレした捜査責任者・警視の主人公は足柄署に左遷された。そして川崎市で起きた連続幼児殺人事件の責任者に呼び出されテレビで犯人に呼びかける。「劇場型捜査」という前代未聞の策を神奈川県警が取る。警察内部からのリークと裏番組との視聴率争い、そして私情が絡み合う。
文章もすごいしストーリの展開もすごい。読んでいてドキドキするような臨場感に思わず引き込まれてしまった。なかなか面白かった。

読了後録画していた映画を観たのだが、時間制限もあるのだろう。登場人物像の細かな背景・経歴や心情がカットされていたのはとても残念だった。仕方ないのかもしれないが、非常に残念だった。

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