上野日記

自分が主人公の小さな物語

桜木紫乃の『ホテルローヤル』を読んだ

桜木紫乃ホテルローヤルを読んだ。2013年に集英社より刊行され、第149回直木賞を受賞した連作短編小説だ。「シャッターチャンス」「本日開店」「えっち屋」「バブルバス」「せんせぇ」「星を見ていた」「ギフト」の7編が収録されている。

以下の概要はAmazonより:

ホテルだけが知っている、やわらかな孤独
 湿原を背に建つ北国のラブホテル。訪れる客、経営者の家族、従業員はそれぞれに問題を抱えていた。閉塞感のある日常の中、男と女が心をも裸に互いを求める一瞬。そのかけがえなさを瑞々しく描く。
 恋人から投稿ヌード写真撮影に誘われた女性店員、「人格者だが不能」の貧乏寺住職の妻、舅との同居で夫と肌を合わせる時間がない専業主婦、親に家出された女子高生と、妻の浮気に耐える高校教師、働かない十歳年下の夫を持つホテルの清掃係の女性、ホテル経営者も複雑な事情を抱え…。

えっこれが直木賞なのと思わせるような小説だった。どちらかというと純文学(芥川賞)を思わせるような文章がとても印象的で、ただ、なんだろう、各短編の主人公たちの切なさがにじみ出て、そのシミが虚しさとして胸の奥に広がったような感じを受けた。

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