上野日記

自分が主人公の小さな物語

夏川草介の『神様のカルテ0』を読んだ

夏川草介の『神様のカルテ0』を読んだ。2015年に小学館より刊行されて連作短編集で最初に出版された『神様のカルテ』より前の話が書かれている。「有明」「彼岸過ぎまで」「神様のカルテ」「冬山記」の4編で構成されている。

以下の概要はAmazonより:

新たな『神様のカルテ』はここから始まる。
 シリーズ300万部突破のベストセラー『神様のカルテ』にまつわる人々の前日譚であり、かつ珠玉の短編集です。栗原一止は、信州にある24時間365日営業の本庄病院で働く内科医です。本作では、医師国家試験直前の一止とその仲間たちの友情、本庄病院の内科部長・板垣(大狸)先生と敵対する事務長・金山弁二の不思議な交流、研修医となり本庄病院で働くことになった一止の医師としての葛藤と、山岳写真家である一止の妻・榛名の信念が描かれます。ますます深度を増す「神カル」ワールドをお楽しみください。

有明医学生時代の話。進路について悩む…。

彼岸過ぎまで:一止が本庄病院に来る前の話。医師と事務局長の対立、そして不思議な交流もある。

神様のカルテ:本庄病院の研修医となった一止の話。末期癌患者を任されるが治療開始を1か月延ばしてほしいと懇願される。医師として人として難しい選択を迫られる一止…。何が正しいのか。「神様が書いたカルテを書き換えることは人間にはできない」

冬山記:結婚前に榛名の話。50の誕生日に妻から離婚届けを突き付けられ自暴自棄になっていた男性が、冬山で滑落し左足を骨折した。生きる気力はなく死を覚悟した。そんな男性を細身の榛名が山小屋まで引きずって救助する。彼女の精神力の強さはその生い立ちにあったようだ。「生きる理由なんてものは、しっかり生きてから考えればいいんだよ」「帰る場所なんて、自分でつくるものです」 ただ、一止と出会ってから1年後の話だったのが少し残念だ。二人の出会いの話って最初の本に書いてあったっけ…。


どの話もよかったし、泣けた。「4」が出版されることを期待したい。

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