上野日記

自分が主人公の小さな物語

森博嗣の『今はもうない』を読んだ

森博嗣の『今はもうない』を読んだ。1998年に講談社より刊行された「S&Mシリーズ」第8弾の長編ミステリー小説だ。

以下の概要は裏表紙より:

避暑地にある別荘で、美人姉妹が隣り合わせた部屋で一人ずつ死体となって発見された。二つの部屋は、映写室と鑑賞室で、いずれも密室状態。遺体が発見されたときスクリーンには、まだ映画が…。おりしも嵐が襲い、電話さえ通じなくなる。S&Mシリーズナンバーワンに挙げる声も多い清冽な森ミステリィ

別荘で発生した密室殺人事件を招待客のひとり「笹木」の手記という形で話が進み、自分の別荘で叔母と喧嘩した西之園がひょんなことからこの別荘に泊まることになり笹木と一緒に事件の推理をする。各章の間には、その事件の詳細を萌絵が犀川に話すシーンが挟まれている。
密室殺人に関しては登場人物たちがいろいろと推測し持論を展開させ、読者を翻弄させるのはいつもの手だなと思いながら読み進める。そして話が終幕に差し掛かると、「あれっ」なんか変だ。未来の話、それとも過去の話…。あぁ、なるほどね、そう来たか。騙された(^^;。

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