上野日記

自分が主人公の小さな物語

森博嗣の『夏のレプリカ』を読んだ

森博嗣の『夏のレプリカ』を読んだ。1998年に講談社より刊行された「S&Mシリーズ」の第7弾の長編ミステリー小説だ。『幻惑の死と使徒』と同時期に発生した萌絵の親友に関する事件だ。

以下の概要はAmazonより:

封印された夏の日の記憶!
 眩い夏、不可解な誘拐事件、蘇る過去
 真実は、偶数章だけで明かされる。
 T大学大学院生の簑沢杜萌(みのさわともえ)は、夏休みに帰省した実家で仮面の誘拐者に捕らえられた。杜萌も別の場所に拉致されていた家族も無事だったが、実家にいたはずの兄だけが、どこかへ消えてしまった。眩い光、朦朧(もうろう)とする意識、夏の日に起こった事件に隠された過去とは?『幻惑と死と使途』と同時期に起こった事件を描く。

『幻惑と死と使途』は奇数章で構成されていたが、こちらは偶数章で構成されていた。それぞれの事件が同時期にほぼ並行して発生していた。一方はマジシャン殺害事件、こちらは県会議員一家の誘拐と犯人たちの死と盲目の兄の失踪…。みんなが何かを隠している。読みながら何かヒントがないか探るが、そう簡単にはつかめなかった。不思議な事件だ。犯人たちの目的がわからない。事件とは関係ない(結果的には関係ないとは言えないかもしれないが)事象と登場人物たちの憶測で読者もミスリードされる。
何だろう。その結末は虚しさを感じされずにはいられなかった。ただ萌絵は少しだけ大人になったのが救いだったかな。

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