上野日記

自分が主人公の小さな物語

池井戸潤の『ようこそ、わが家へ』を読んだ

池井戸潤の『ようこそ、わが家へ』を読んだ。2013年に小学館より刊行された長編小説だ。サスペンスとミステリーの要素も含んでいる。2015年4月よりフジテレビで相葉雅紀寺尾聰有村架純出演によるドラマが放送されるのを知り読んでみた。

以下のあらすじは裏表紙より:

真面目なだけが取り柄の会社員・倉田太一は、ある夏の日、駅のホームで割り込み男を注意した。すると、その日から倉田家に対する嫌がらせが相次ぐようになる。花壇は踏み荒らされ、郵便ポストには瀕死のネコが投げ込まれた。さらに、車は傷つけられ、部屋からは盗聴器まで見つかった。執拗に続く攻撃から穏やかな日常を取り戻すべく、一家はストーカーとの対決を決意する。一方、出向先のナカノ電子部品でも、倉田は営業部長に不正の疑惑を抱いたことから窮地へと追い込まれていく。直木賞作家が“身近に潜む恐怖"を描く文庫オリジナル長編。

通勤途中で割り込んできた若者を注意したら逆恨みされる。出向先の会社(銀行から総務部長として)では営業部長とそりが合わず社長からも評価されない。ストーカーと化した若者には自宅をいたずら(花壇荒らし、瀕死の仔猫をポストへなど)、会社では営業部長の不正疑惑を抱く。家族とストーカーの犯人捜しと会社では部下と営業部長の不正を暴くため奔走する。
犯人たちの動機には驚いたが、気弱な主人公には協力的な家族と信頼のおける部下がいたおかげで何とか乗り越えられたようだ。相変わらずの銀行がらみで「痛快な倍返し」を期待したがそれほどでもなかったのにはちょっと物足りなかったかな。

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