上野日記

自分が主人公の小さな物語

森博嗣の『笑わない数学者』を読んだ

森博嗣の『笑わない数学者』を読んだ。1996年に講談社より刊行された「M&Sシリーズ」第3弾の長編ミステリー小説だ。

以下の概要は裏表紙より:

偉大な数学者、天王寺翔蔵博士の住む「三ツ星館」。そこで開かれたパーティの席上、博士は庭にある大きなオリオン像を消してみせた。一夜あけて、再びオリオン像が現れた時、2つの死体が発見され……。犀川助教授と西之園萌絵の理系師弟コンビが館の謎と殺人事件の真相を探る。超絶の森ミステリィ第3弾。

庭に建てられた像が消え、再び現れると遺体がある。また別の場所からも遺体が発見される。12年前にも人が死んでいる。と、ミステリーの御膳立てが出来上がる。さらに建物の地下に暮らす老天才数学者がミステリー感を深める。そして、またまた殺人の現場に居合わせた犀川と萌絵がその謎に挑む…。
オリオン像が消えた理由は何となくこれかなと想像しながら読んでいたが、その場にいた人たちが気づかないはずがないという思い込みで勝手にその推理を捨ててしまったのは失敗だった。ま、それがわかっていたからと言って殺害のトリックは見破れなかっただろう。なるほどね。そして複雑な人間関係が巧みに織り込まれているのには、またまた感服した。

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