上野日記

自分が主人公の小さな物語

さだまさしの『ラストレター』を読んだ

さだまさしの『ラストレター』を読んだ。2014年に朝日新聞出版より刊行された長編小説だ。

以下の内容はAmazonより:

ラジオ局に入社して4年目の新米アナウンサーの寺島尚人は、ある日、聴取率0%台、誰も聴いていない深夜放送の≪大改革≫に名乗りをあげてしまう。「みんな小さな人生を生きている。それを伝えたいと誰もが思っている筈です。そんな葉書を……小声で、ただひたすら愚直に読んであげるのはどうでしょうか」と。大抜擢で番組を任されることになる。しかし自分でスポンサーも探せと命令されたり、ライバル局に邪魔をされたりとトラブル続出。だが新米アナウンサーの青臭い情熱が、それまで傍観するだけだったラジオ局の人々を動かし、団結させていく。そして、Twitterでもなく、メールでもなく、ファクスでもなく、ラインでもなく、リスナーから届く≪葉書≫で番組を構成していくというやり方が支持を得る。特に、一緒に泣いたり本気で怒りながら読み上げる「ラストレター」という企画が目玉コーナーとなり、人気番組となるのだが……。ラジオ局で働く仲間たちをめぐる、愉快で心温まる物語。1981(昭和56)年から12年半、文化放送さだまさしのセイ!ヤング」を続けてきた著者の、経験に基づく深夜ラジオ小説!!

ラジオの深夜番組を担当することになった若手アナウンサーが主人公で、投稿ハガキを主体にした番組を立ち上げるところから話が始まる。和気藹々とした職場と同僚先輩上司に支えられながら成長し、番組を成功させる話で、なかなか面白くそして泣けた…。

さだまさしセイ!ヤング」は聴いたことがなかった。思い出深いのは「笑福亭鶴光オールナイトニッポン」だ。ちょっとエロかったかな。驚いたのは「中島みゆきオールナイトニッポン」で大学生になっていたけど、歌のイメージとラジオから聞こえてくる話し方のギャップにとてもショックを受けてしまった。そして今は「今夜も生でさだまさし」だ。

高校生の頃、約9か月入院していた。その頃よく聞いていたのが夕方に放送されていたNHK FMのローカル番組「夕べのひと時」だったと思う。たぶん。リクエスト葉書を送り、それが読まれた時は驚きと喜びで思わず声を出してしまったほどだ。何を書いたか忘れてしまったが、思い出深い人生の一コマになっている。

そんな青春時代を思いで出させてくれた一冊になった。

© 2002-2024 Shuichi Ueno