上野日記

自分が主人公の小さな物語

東野圭吾の『虚ろな十字架』を読んだ

東野圭吾の『虚ろな十字架』を読んだ。 2014年5月に光文社より刊行された長編サスペンス小説だ。

以下のあらすじはWikipediaより引用:

11年前、娘を強盗に殺害された中原道正は、当時の担当刑事だった佐山の訪問を受け、今度は離婚した元妻の小夜子までも刺殺されてしまったことを知る。小夜子とは、娘殺害の犯人の蛭川が死刑になることだけを望んで、裁判をともに戦った過去があった。犯人の死刑を望まない被害者家族はいないが、中原も小夜子も、「たとえ犯人が死刑になろうとも娘は戻らない」という虚しい事実に直面したのだった。
 離婚した後はお互い連絡し合うこともなかったが、小夜子が離婚後も精力的に行動していたことを、事件の後になって知る。それは、娘の死を乗り越えるためという目的は同じだったが、そのために中原が選んだ道とは正反対であった。小夜子を殺害した犯人は自首してきたが、それも情状酌量となりそうで、とても死刑判決は出そうにもない。しかし孫と、今また娘までも殺された小夜子の母の里江は死刑求刑を願い、中原も元夫として関わって行くことになる。

死刑制度に対する問題提唱なのか。死刑判決を受け殺人への反省をなくした者が虚ろな十字架に縛り付けることには意味がないと…。刑務所に入れられても反省しない受刑者よりも、重い十字架を背負い続けている方が真の償いだと…。
以前に読んだ『手紙』や『さまよう刃』を思い出した。うーん、考えさせられる。難しい…。

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