上野日記

自分が主人公の小さな物語

重松清の『あすなろ三三七拍子』を読んだ

重松清の『あすなろ三三七拍子』を読んだ。2010年に毎日新聞社より刊行された長編小説で、2014年7月よりフジテレビで柳葉敏郎主演のドラマが始まった。

重松清は好きな小説家の一人でこの本も図書館で見かけていたが、題名が変だし、表紙の絵から高校か大学の応援団の青春物語だろうと勝手に思い込んでいたので読むのを躊躇していた。今回のドラマ化を知り慌てて図書館から借りてきて読んだ。内容は想像とかなり違っていたので驚いた。
大学の応援団指導部が廃部の危機、それを知った応援団OBでワンマン社長のツルの一声で45歳のサラリーマンが大学に社会人枠で入学し応援団の存亡の危機を救うべく奮闘する。
重松さんてこんな小説も書くんだなぁと驚いてしまった。笑いあり涙あり…、コメディタッチでちょっとクサかったが人間味があふれていてなかなか面白かった。そして泣けた。

ドラマがどれくらい忠実に再現しているか楽しみだ(録画していた第1話を観たが、何でもないところで泣けてしまった)。

自分のことを一生応援してくれる人と出会ってほしい、そして自分が一生応援する人と出会ってほしい、と団長は語る。これが重松さんからのメッセージなのかな。

© 2002-2024 Shuichi Ueno