上野日記

自分が主人公の小さな物語

木内一裕の『藁の楯』を読んだ

木内一裕の『藁の楯』を読んだ。2004年に講談社より刊行された長編小説で、2013年に大沢たかお松嶋菜々子出演で映画が公開された。

今週金曜日(2014/5/30)にその映画が放送されることを知りさっそく原作を図書館で借りてきた。作者のことは全然知らなかったのだが、調べてみたら漫画『BE-BOP-HIGHSCHOOL』の作者だと知りびっくりした。しかも同い年…w。
Wikipediaよりあらすじを引用:

「この男を殺して下さい。名前・清丸国秀。お礼として10億円お支払いします。」という衝撃的な広告が全国の主要な新聞に一斉に掲載された。掲載主は政財界の大物・蜷川で、自分の愛しい孫娘を殺した清丸の首に懸賞金をかけたのだ。
隠匿者にまで命を狙われた清丸は逃亡先の福岡で自首。警視庁は清丸の身柄を48時間以内に東京に護送すべく、銘苅・白岩など5人の精鋭を護衛に付ける。更に機動隊員350人で高速道路を東京に向け出発する。しかし清丸への憎悪と懸賞金に目がくらんだ一般市民だけでなく、警察官・機動隊員までもが清丸をつけ狙う。……以下略。

「10億円のためなら…」と思うとひょっとしたらあり得る設定かもしれないが、この復讐劇を御膳立てする謎の人物〈サライヤ〉には少し無理があるのかな。犯人を護送するSPたちに迫る鬼気とした状況とその展開には面白く次第に引き込まれていった。映画が楽しみだ。

ただ、物語のストーリ性としては評価できるが、小説としてはなんかスカスカで深みに欠けた薄っぺらさがちょっと気になった。

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