上野日記

自分が主人公の小さな物語

伊坂幸太郎の『死神の浮力』を読んだ

伊坂幸太郎の『死神の浮力』を読んだ。2013年に文芸春秋より刊行された長編小説だ。2005年に刊行された『死神の精度』の続編にあたるが、主人公の死神(人間としての名は千葉)が共通して出ており、物語としての関連性はない。

主人公の死神が調査対象の人間を1週間調査し、「可」または「見送り」の判定を行う。「可」と判定されれば8日目に死亡し、「見送り」と判定されれば天寿を全うする。
小学生の娘を殺害された有名小説家とその妻が犯人の青年に対して復讐を企てる。調査対象者はその小説家だ。娘を殺した犯人は裁判で証拠不十分で無罪となり釈放される。無罪となったのも夫婦の計画通りだ。1年かけて周到に計画を立てるも、ふとあらわれて死神(千葉)のせいで失敗してしまう。今度は逆に青年から反撃を受け窮地に立たされる。

復讐は成功するのか、8日目の調査の判定はどうなるのか、次第に引き込まれていった。登場人物(小説家)やその父親の「死」に対する考え方も面白かった。あとがきで、伊坂氏自身がこれは登場人物の考え方であって自分の考えではない、というようなことを書いていたがちょっと笑ってしまった。

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