上野日記

自分が主人公の小さな物語

荻原浩の『明日の記憶』を読んだ

荻原浩の『明日の記憶』を読んだ。2004年に光文社より刊行された長編小説で、2005年には第2回本屋大賞2位と第18回山本周五郎賞を受賞し、2006年には渡辺謙主演で映画化もされた。

先月その映画が放送された。その番宣で「渡辺謙が原作に惚れ込んで映画化をお願いした」とか言っていたので、これは是非映画を見る前に原作を読まねばと思い図書館から借りてきた。
あらすじをWikipediaより引用すると以下である。

家庭も省みず仕事に生きる49歳、広告代理店のやり手営業マン、佐伯雅行。仕事においては大きなクライアントとの契約が決まり、プライベートにおいては娘の結婚が決まる、と順風満帆に見えた彼を突如、物忘れが激しくなる、めまい、幻覚といった不可解な体調不良が襲う。
 妻・枝実子に促され、しぶしぶ忙しい仕事の合間を縫って病院を訪れ診察を受けた結果、医師から若年性アルツハイマー病という診断を下される。知らないうちに自分の体内で起こっていた受け止めがたい現実に直面した彼は、錯乱し自暴自棄になり、病院の屋上から飛び降りようとするが、医師の必死の説得により何とか思いとどまる。そして屋上から階下へ戻る階段の途中で座り込み、枝実子と話し合い、二人は涙を流しながらも病気と向き合う覚悟を決める。

しばらく読み進めると映画の映像が頭をよぎる。あぁ、何年か前にこの映画を観たようだ。渡辺謙香川照之のやり取りが目に浮かんだ。ただ最後がどうだったか思い出せない…。が、しかしそれも鮮明になっていった。どうやら私の記憶は確からしい。たぶん。

若年性アルツハイマー病。体は元気なのに記憶が次第になくなっていく。本人もつらいだろうが、それを見守る周りの人たちもつらいのだろう。主人公と同年代なので考えさせられる作品だった。

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