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上野日記

自分が主人公の小さな物語

司城志郎の『ゲノム・ハザード』を読んだ

司城志郎の『ゲノム・ハザード』を読んだ。1998年に文芸春秋より刊行された長編ミステリー小説だ。第15回サントリーミステリー大賞読者賞を受賞している。2011年に小学館文庫より文庫として再リリースの際に『ゲノムハザード』と改題され大幅に加筆改稿されたので文庫本を読みたかったが、図書館には単行本しかなかった。

2014年1月に映画『ゲノムハザード ある天才科学者の5日間』が公開された。フジテレビの「笑っていいとも」のテレホンショッキングに出演した主演の西島秀俊がこの映画の冒頭の説明を聞いて読んでみたくなった。

以下はAmazonの内容消化(文庫本):

人間の記憶の痕跡に鋭く迫った傑作ミステリー。
1年前、誰かが私の人生に魔法をかけた――。その晩、左利きのイラストレーター鳥山敏治が自宅に帰ると、家の電気は切られており、リビングルームの床には何本ものキャンドルの炎が揺れていた。そして、不気味なその炎のかたわらには自分の妻が冷たい死体となって横たわっていた。信じられぬ光景に呆然としていると、部屋の電話が鳴った。受話器の向こうから聞こえてきたのは、まぎれもなくいま目の前で死体となっている妻の声だった。にわかには信じがたい出来事をきっかけに、鳥山の人生は思いもかけなかった波乱に巻き込まれていく。「サントリーミステリー大賞読者賞」に輝いた傑作を、著者が大幅に加筆改稿し、10余年の時を越え文庫として再リリースされた。人間の記憶の痕跡に鋭く迫った極上のサイエンスミステリー小説。

予備知識は「いいとも」で聞いた「帰宅したらリビングで妻が死んでいた。そこに妻から電話がかかってきた」という程度だったので、読み進めても何が起きているのかなかなか理解できなかった。ミステリーだから仕方ないのだが…。主人公が混乱する場面で「誰かが叫んでいる。誰かが泣いている。それは自分だとわかった」というような言い回しや表現がとても多く、この作者特有の作風なのだろうと理解したが、読んでいてちょっとイラッとしてしまった。
サイエンスミステリーというだけあって、アルツハイマーの新薬に関する研究と遺伝子やDNAにまで絡めた内容はとても面白かったのだが、主人公に生じた現象などは設定に少し無理があるのではないだろうかと感じた。

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