上野日記

自分が主人公の小さな物語

三浦しをんの『政と源』を読んだ

三浦しをんの『政と源』を読んだ。2013年に集英社より刊行された連作短編集だ。

以下はAmzonに記載されている内容:

簪(かんざし)職人の源二郎と元銀行員の国政は、ふたり合わせて146歳の幼なじみ。弟子の徹平と賑やかな生活をおくる源二郎と、男やもめの国政を中心にまき起こる、人情味豊かで心温まる事件の数々。下町を舞台に繰り広げられる人情物語。三浦しをん、新境地!
東京都墨田区Y町。つまみ簪職人・源二郎の弟子である徹平(元ヤン)の様子がおかしい。どうやら、昔の不良仲間に強請られたためらしい。それを知った源二郎は、幼なじみの国政とともにひと肌脱ぐことにするが―。弟子の徹平と賑やかに暮らす源。妻子と別居しひとり寂しく暮らす国政。ソリが合わないはずなのに、なぜか良いコンビ。そんなふたりが巻き起こす、ハチャメチャで痛快だけど、どこか心温まる人情譚!

二人合わせて146歳の国政と源二郎、下町育ちの幼馴染だが、国政は大学を卒業し銀行員に、源二郎は小学校もろくに卒業せず簪職人の道を進み、性格も違うのだが気の置けない友達同士だ。そんな二人が織りなす人間模様がとても羨ましい。ちょっとほろっときた。なかなかよかった。
源二郎の弟子の結婚式の帰りの政と源の会話。「もう桜も終わりだな」「また来年があるさ」「来年の桜を見られるのか、俺たち」「さあなあ」「俺たちが見られなかったとしても、来年も再来年も桜は咲くさ。それでいいじゃねえか」と続く。竹内まりやの『人生の扉』を思い出した。



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