上野日記

自分が主人公の小さな物語

東野圭吾の『祈りの幕が下りる時』を読んだ

東野圭吾の『祈りの幕が下りる時』を読んだ。2013年に講談社より刊行された加賀恭一郎シリーズ第10作の長編推理小説だ。

滋賀県から上京してきた女性の腐乱死体が東京のアパートで見つかったのが事件の発端だった。そこにはある父娘の人生と加賀の母親の人生も絡んでいた。
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Wikipediaの「概要」の一部:

シリーズ10作目となる本作では加賀の母親が登場し『卒業』『赤い指』で触れられていた彼女の失踪理由が明かされる他、『新参者』『麒麟の翼』において加賀が配属先の管轄である日本橋に積極的に溶け込もうとしていることや、優秀ながら依然として所轄の刑事のままでいる理由が語られており、本作はシリーズひいては加賀の公私における転換期が描かれる。また東日本大震災発生後の世相が反映され、原発作業員の労働環境に対する問題にも触れている。

最初の数ページを読んだとき、離婚した女性が仙台のスナックで働きだす話だったので、今回の事件の舞台は仙台なのかなと思いつつ読み続けていたら、その女性が加賀恭一郎の母親のことだったので、思わず息をのみ非常に驚いた。なるほど、そう来たか…と。確かに母親については今まで多くは語られていなかったが、その真相が語られ私を含めた読者は胸のつかえがとれた感じではないだろうか。
事件自体はいろんなことが複雑に絡み合っていて、それを加賀を含めた刑事たちが徐々に解き明かしていく。加賀自身も母親のことが絡んでいたので私情を挟みそうになるが、相変わらずの推理力で真相を突き止める。なかなか今回も面白かった。
看護師の金森登紀子を無理やり登場させたような感じもするが、『眠りの森』に続き加賀の恋の行方が気になる終わり方だった。次回作では進展しているだろうか。楽しみだ。

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