上野日記

自分が主人公の小さな物語

東野圭吾の『探偵倶楽部』を読んだ

東野圭吾の『探偵倶楽部』を読んだ。1990年に『依頼人の娘』という題で祥伝社より刊行され、文庫化で改題された短編推理小説集だ。2010年にフジテレビで「東野圭吾ドラマスペシャル」として谷原章介松下奈緒主演のドラマが放送されたのは記憶にあるが、内容はほとんど覚えていなかった。

「偽装の夜」「罠の中」「依頼人の娘」「探偵の使い方」「薔薇とナイフ」の5編が収録されている。VIP専用の調査機関「探偵倶楽部」が見事な調査や推理で事件を解決する。
偽装の夜:大手スーパーの社長の喜寿を祝うパーティでその社長が自殺した。だがその社長の死を世間に今知られると都合が悪い者たちが偽装しようとする。だが、自殺を不信に思った娘が「探偵倶楽部」に調査を依頼する。

罠の中:不動産の社長が風呂場で感電死し犯人は自殺した家政婦とされたが、風呂の入り方に疑問を持った妻が「探偵倶楽部」に調査を依頼する。

依頼人の娘:母親が自宅で殺害された。第一発見者は父親だった。ただ、父・姉・叔母の様子がおかしいと思った次女は「探偵倶楽部」調査を依頼する。

探偵の使い方:夫の浮気を疑った妻が「探偵倶楽部」に夫の素行調査を依頼する。ただ、その調査は途中で打ち切られる。その後、夫と浮気相手の夫が毒殺される。なんか変な展開…。

薔薇とナイフ:娘(次女)の妊娠の相手を探すために「探偵倶楽部」に調査を依頼した大学教授。そして、長女が次女の部屋で殺害される。教授の助手が自殺し、警察は序中が犯人と断定する。しかし、探偵は思わぬ調査結果を持ってきた。

短編集とあってちょっと物足りなかったかな。(これはしかたないことだが)登場人物が嘘をついていたり、話が急展開したり、その結果思わぬ(意外な)結末になるのはちょっと納得いかなかった。

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