上野日記

自分が主人公の小さな物語

東野圭吾の『赤い指』を読んだ

東野圭吾の『赤い指』を読んだ。2006年に講談社より刊行された加賀恭一郎シリーズ第7作の長編推理小説だ。「推理」というよりは犯人が判明しているので「サスペンス」かな。2011年に阿部寛主演のテレビドラマが放送されたのを観たので読もうかどうか迷っていたのだが、真新しい文庫本を図書館で見つけ読んでみることにした。


中3の息子が7歳の少女を扼殺したことを隠蔽しようとしたその父と母。その嘘に加賀恭一郎が挑む。そして温情ある解決策を模索する。
テレビドラマを観ていたので何となくあらすじは覚えていたのだが、犯人たちの息子に対する思いと認知症の母親に対する思いが対比的に描かれていた。ドラマでどのように再現されていたのかまったく覚えていなかったのだが、末期癌で入院している加賀の父親の思いとそれに対する加賀自身の思い、加賀は何故入院している父親を見舞わないのか…。泣けた。

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